山道を小またで、歩幅が靴の長さくらいで、一歩ずつゆっくりと、丹念に踏みしめて確実に上っていくという演奏です。たとえは適切でないかも知れませんが、大蛇が草むらをゆっくりと這っているいる感じです。
弱音から急に大きな音を出すところ、こういうところがピタッと揃っていればもっと精密感があって、打ち拉がれてしまうでしょう。それはご愛嬌。
第4楽章の23分45秒あたりからフィナーレまでずっと、ホルンとクラリネットの陰で弦楽器が長いスパンでクレッシェンドして、地味ながら確実に拍子を刻んでいるのが聞こえるのですが、怨念がこもっているようで恐ろしいです。☆☆☆☆☆